介護の現場において、コミュニケーションは最重要キーワードといえる。サービスの提供を受ける側(要介護者とその家族)はもちろん、サービスを提供する側もコミュニケーションを軽視すれば、質の高い介護は成り立たないのだ。
具体的には、要介護者と介護担当スタッフの間には一定のコミュニケーションが欠かせないといわれている。要介護者はそれぞれに必要な介護が異なり、性格も十人十色だ。そのため、担当スタッフは日常会話などを通じて、その人にとって必要な介護サービスの提供を調整しなければならない。決して、マニュアル通りの介護をしていれば良いというわけではないのだ。また、介護スタッフ同士や介護スタッフと要介護者の家族とのコミュニケーションも軽視できない。関係者全員が適切にコミュニケーションを取れていることが、介護の最低条件なのだ。
しかし、コミュニケーションはとても大切であるものの、その実践は容易ではない。そこで、潤滑なコミュニケーションのために私が実践していることの一つは、まず一定の時間をかけることだ。個人の性格にもゆるが、要介護者とのコミュニケーションは、最初からスムーズにできるとは限らない。時間をかけて相互理解を深めることが欠かせないので、焦らないことだ。
また、介護スタッフ同士のコミュニケーションも一定の時間が必要になるが、こちらはメモや引き継ぎノートなどを使ったりして補足すると、伝達ミスや誤解を減らすことができる。時間をかけることを軽視するとコミュニケーションは希薄になるので、面倒がらずに時間を割くことを提案したい。