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認知症の高齢者を守るために意識したいこと
宮崎県小林市は、認知症高齢者を守る取り組みとして「認知症のための生活ガイドブック」を発行している。このガイドブックには、「1日1500ミリリットル以上の水分を補給する」「1日1500キロカロリー以上の食事を摂取する」「便秘を解消する」「1日30分以上の運動をする」の4つを推奨するよう書かれている。これらの4つを徹底するれば、認知症の予防や進行を遅らせるのにながるそうだ。
適度な運動で消費カロリーが増えると、食事や水分をよく取るようになり、それにより便秘も解消されるため、好循環を生むことになるからだろう。実際に4つのことを介護サービスに取り入れている小林市内の介護施設では、「年々高齢者の雰囲気が明るくなり、元気な人が増えた」という職員が少なくないそうだ。ウトウトと常に眠っているような入所者が減り、職員との会話も増えたという。
また、ある施設では、体格や体調に合わせて、1800、2000ミリリットルと1日の水分量を調整しているそうだ。夏は寒天ゼリーやプリン、冬は甘酒などを提供し、水分量を増やす努力も重ねているという。これは、認知力が下がると「喉がかわく」という感覚まで低下するため、高齢者の水分摂取量が少なくなり、自分ではたくさん飲んでいると思っても、実際に計測してみると少ない場合が多いので、それを補足するためだ。
水分補給だけで認知症が改善できるとは断言できないが、水分不足が認知症の症状悪化につながることは十分に考えられる。したがって、介護に携わる際には、会話の中で水分補給を常に話題にしたり、食事やおやつに水分の多いものを加えたりして、水分補給を促すことをおすすめしたい。